機械樹のもとで、俺は彼女に出会う

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どこまでも澄みきった、青い空。 彼はこの空が好きだった。 「イィィィッヤッホォォォォッ!!」 演習用のウィンドールにて、アクロバット飛行を楽しむ彼の名は、ジャス・レナード。 若き統一連合軍少尉である。 因みにウィンドールとは統一連合軍主力量産型FBSであり、FBS(ファストバトルシステム)とは人型機動兵器の総称である。 「空はやっぱいいねぇっ!!」 「ジャス!!これは演習だ、遊びじゃない!!」 アクロバット飛行をするジャスのウィンドールに、上官であるゼブロ・ラロッカ大尉からお叱りの通信が入った。 「堅いこと言いなさんなって、大尉殿!!見せ場はこれからだぜ!!」 しかし、ジャスはそれを聞かず、更に激しいアクロバットを決めていく。 「馬鹿者が…」 「いいじゃない。男の子なんだから…」 やれやれと呆れるゼブロに妻のアリシアル・ラロッカが語りかける。 「確かに。だが、奴にはあれに乗ってもらうんだ。あんなので事故でも起こされたらかなわん…」 「随分お熱なのね、彼に…」 クスリと笑うアリー。 「南雲!!」 「はい」 「実戦演習に切り替えだ。ジャスを撃ち落としちまえ」 「了解、隊長」 ゼブロは同じ小隊員の南雲栄一郎少尉に実戦演習とかこつけてジャスを止めさせることにした。
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