第一章

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「そろそろ片付けて家に帰るか…」 最近は寒くなってきたためか、外を出歩く人が減り、似顔絵描きをしている青年の仕事も自然と減っていた。今日は週末なので、遊びに出掛ける人を狙って久しぶりに遠出をしたのだが、それでも収入は芳しくなかった。 気温の低い野外に長時間いたせいでかじかむ手を吐息で暖めながら、なにか別の仕事をしなくてはなどと考えていると、傍らにかけてあったキャンパスが大きな音を立てて倒れた。
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