~親友~

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「はよーっす未来!」 「どーした?そんなに小難しい顔しちゃってさぁ」 「いやー、なんでもな~い!」 下駄箱で乃亜と別れた途端に、新しいクラスの子達が一斉に挨拶してくれる。 「てかあの子、上の階の箱船さんって人だよね」 声をかけてきた子の一人、結城玖雨(ユウキクウ)が乃亜を半目でじとーっと見つめていた。 私たち一年生は六クラスあり、校舎の構造上1~3組が二階、4~6組が一階の教室で1日の約1/3を過ごしている。 私は5組、乃亜は2組なのだ。 「未来、箱船さんって小学生の頃いじめられてたってマジ…?」 もう一人の子、蒼然時華(ソウゼンジハナ)が噂話の真偽を確かめるかのように聞いてきた。 「……は?」 私はYesともNoとも答えられなかった。 なぜなら、それは事実だったから。
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