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卒業式から早1週間。
4人は、富貴の家に集合していた。
「っつたく、なんで富貴の家集合なんだヨ」と、朋が言う。「行きは下り坂で楽だけど、帰りがキツいんだよ」
「どこでもいいって言ったのは、双子じゃないかぁ!」富貴が反論する。
「ンだと、テメェ!ブタは人語を喋らずに、ブヒブヒ言ってろ!」優が、イタイところを突いた。富貴、硬直。
「優、まぁまぁ」美子がおどおどして言った。「確かに富貴は体が大きいけど、心の大きさも体と同じくらい大きいわ」
「それ、フォローになってるのか?」朋が言った。
そうこうしているうちに、外が暗くなってきた。
「そろそろ帰るかー」と、立ち上がったのは朋。
「そうだね」美子も双子に続いた。
『お邪魔しましたー』そう言って、3人が富貴の家から帰る途中、いきなり目の前に何かが現れた。
ガササササッ!
「うわっ!」
『なんだ!?』3人は驚いて、目を閉じた。
開いてみると、目の前には大きな茶色いフクロウがいた。
「こんな時間に、フクロウ?」美子が疑問を口にしていると、フクロウは3人の足元に、1通ずつ封筒を残して飛び去った。
『なんだったんだ――・・・?』双子は目を点にした。
3人は足元の封筒を拾い、その場では読まずに家に帰った。
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