★第一章★

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  いつも見るのは同じ夢。 あの時の…母が言っていた言葉。 「あなたは長女なのだから、しっかりしなさい」 僅か五歳の時に家を出て行った母。 嫌いでは無かった。 むしろ、好きだった。 五歳の記憶なのだから、完全に母のことを覚えているわけではない。 でも、幸せだった。 何故出て行ったのか。 父に尋ねても、首を傾げるばかり。 周りからは、 「男を作って逃げたんだ」 と、後ろ指を指された。 妹たちは出て行った母を嫌っていく。 いつしか、カティリア自身も母のことが嫌いになっていった。 今どうしているのだろうか? そんなことも思えなくなってきて… カティリアは目を覚ますと、大きく伸びをした。  
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