恐ろしい男性

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「ありがとう。一生懸命唄うわね!」 「はいっ!応援してます!」 ミシュアの笑顔を見て、 (なんて可愛らしい笑顔なのかしら…) と思いながら立ち上がる。 「お腹空いたわ…ユリミナはまだ眠っているの?」 まだ起きてこない三女のユリミナを思い出す。 「ユリネエ様は…」 ミシュアが続きを言おうとした時、キッチンの扉が開いた。 欠伸をしながら三女のユリミナが登場する。 ミシュアと同じ赤い髪を後ろに垂れ流した、意識の強そうな緑色の瞳の少女。 家族の中で一番短気で喧嘩っ早い。 少し危ない妹。 「あら、ユリミナおはよう」 「ああ、おはよー」 ふぁぁ。とまた大きく欠伸をするユリミナを見て、ユリミナの後から入ってきたシルファーナは溜め息をついた。 「早く顔を洗っておいで。朝食を食べるよ」 「分かってるよ」 ユリミナは顔を洗いに洗面所に向かっていく。 「……先に朝食食べてくれ。ちょっと疲れてるから、遅くなる」 女の子とは思えない口調で言うユリミナの言葉に、シルファーナとカティリアはお互いに顔を見合わせて溜め息をついた。 家事をこなす少し天然な末っ子、ミシュア。 男子からも恐れられるじゃじゃ馬三女、ユリミナ。 村一番の秀才で読書好きな次女、シルファーナ。 そして、三人の姉で一家の大黒柱である長女、カティリア。 四姉妹の性格は統一していないようだ。
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