恐ろしい男性

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  ーーお昼頃。 唄い終えたカティリアとシルファーナは一休みしていた。 “歌姫カティリア” 地元でそう言われる程、カティリアは歌が上手だ。 カティリアはそんなこと、これっぽっちも思っていないけれど。 「よう!歌上手だったぜ」 ユリミナがニヒヒと口元に笑いを浮かべてこちらにやってきた。 「あら、ミシュアはどうしたの?」 いつもなら一緒にいるはずのミシュアの姿が無い。 「さっき、見知らぬ爺さんに道を教えてたけど…」 どこに行ったんだ?と首を傾げるユリミナ。 カティリアとシルファーナの顔から血の気が引いた。 「ミシュアに何かあったらどうするの!?何で止めなかったのよ!?」 シルファーナに怒られ、ユリミナの目に涙が溜まる。 「……私のせいじゃねぇよ。いつの間にかいなくなっていたんだからなっ!」 カティリアに抱きついて訴えるユリミナを見て、シルファーナは少し言い過ぎたと反省した。 「シルファーナっ!ユリミナを責めるなんて…」 カティリアに怒られると確信したシルファーナは、慌てて 「少し言い過ぎたっ。ごめんっ」 (姉さんを怒らせると怖いのよねぇ…)  
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