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「それじゃ、川で洗濯してくるわね」
「なら俺は芝刈りに行くとするかな」
ごしごし
ガサガサ
「んー、いいお天気」
「あらー、美子ちゃんじゃない。おはようございまーす」
「グリエちゃん!久し振りね。グリエちゃんもお洗濯に?」
「いいえー私は魚を釣りに…あれ…何かしら」
そこには大きな桃がどんぶらこと流れきていた。
季節外れとか異常現象だとか、そういう事は気にしないらしい。
「きゃー桃よ!捕まえなきゃ。グリエちゃん、頼むわよ」
「はーい。任せてー」
グリエは軽々桃を川からすくい上げ、家まで運んだ。
―渋谷家―
その大きさに驚きつつも、久々の桃に喜ぶ勝馬。
「さあ、切るわよー」
「は、入ってます」
「?何、ウマちゃん?」
「いや俺じゃない」
「切らないでー」
「切らないでって…まさか桃が喋った!?」
「いや、そんなまさか…」
ザクザク
「「!!」」
ぱかっ
「「……」」
「ぷはー。よく寝た。まったく、やっと出られたぜ」
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