嘆き悲しんだ冷たい君の手

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落ちていたナイフを拾い   ボクは其れをキミの胸に翳す   キミは泣いていた   キミは叫んでいた   「やめて」   違う、キミだけは違った   「ごめんね」   其れだけをひたすら   泣き叫んで   足掻いて、喚いて   其れはボクの心の壁を   崩そうとして   何故今、ボクは   キミを殺そうとしているの?     キミの躰は赤く染まって   最期までボクの名前を呼び続け   終いに、その腐った躰で   ボクを抱き締めた   ボクはキミを   バラバラに   脳を開いて   脳味噌を引きずり出して   其れでもキミの躰はまだ   死んではいなかった   流すのは血が混ざった   深紅の涙   愛おしかったキミ   ただボクのモノに   したかっただけなんだ     青ざめ腐りきったキミの躰   干からび萎んだ内臓   もう、ボクの標本-コレクション-    
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