98人が本棚に入れています
本棚に追加
この国の王様が
まだ王子様の頃でございます
ある村に
ひとりの魔女がおりました
お人好しで
そして
不幸でありました
不幸な魔女ですから
持ち前の人の好さで
右へ左へ上を下へ
何をやっても上手くいかず
不幸な魔女ですから
嫌われているのは当たり前
親切は
大きなお世話で広まって
悲しいことに
噂は陰口にしかなりません
やがて村人の心は
疎ましさから
怒りへ
憎しみへ
魔女は森の奥へと
追い払われたのでございます
最初のコメントを投稿しよう!