前口上

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      この国の王様が まだ王子様の頃でございます       ある村に ひとりの魔女がおりました    お人好しで     そして   不幸でありました    不幸な魔女ですから  持ち前の人の好さで  右へ左へ上を下へ 何をやっても上手くいかず  不幸な魔女ですから 嫌われているのは当たり前     親切は 大きなお世話で広まって    悲しいことに 噂は陰口にしかなりません     やがて村人の心は    疎ましさから     怒りへ     憎しみへ     魔女は森の奥へと 追い払われたのでございます  
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