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この時、都は冬美の病気の事を知らなかった。都は春樹の言葉に無性に腹が立ち、春樹を絶対に自分だけの物にしたいと思った。   その日から、あの事件が起こるまで、そう長くはなかった。     「私を愛人にして下さい。」   誰もいない会議室。都は春樹に詰め寄った。   「2番目でもいいの。絶対に1番になる自信があるから。愛人にして下さい。」  「都君、僕には妻だけなんだ。僕の愛情は分ける事が出来ない。君の気持ちに応える事は出来ない。」
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