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「オイ、もう行くぞ。いい加減にしねぇと殴るっ」
「だっだって…プッ、あはは……お前、ホント今日は厄日だな」
その原因に自分も一枚噛んでいる事など気にする事なく言ってのけたこのバカは尚も笑った。
さっきより幾分マシになったのだろう、やっと前進した。
厄日終了への第一歩を今、やっと踏み出したのだ。
こんな日は早く帰って寝るに限る。
そんな事を思っていると、ふと一つ素朴な疑問が浮かんできた。
「お前、何でこんな時間まで学校にいたんだ?」
零は部活はやっていない。
そして自分を待っていたんだったらもう少し早く登場していたはず。
すると零は頭の後ろを片手でポリポリとかく。
「オレとした事が、教室に携帯を忘れて、家に帰って気付いたんだ。んで取りに来た。…納得?」
よく見ると零は制服こそ着ているものの鞄は持っていないようだ。
「納得」
短くそう答えた時だった。
「あっ!お前は…」
声のした方を見ると数人が立っていた。
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