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「柞原さん、あなた早退した方がいいわ。」
「雪風先生…。」
「あまり無理しちゃ駄目よ。」
「……ハイ。」
「…………柞原さん何か、悩みでもあるの?」
「……。」
「何でも貯めちゃ駄目よ。 先生で良ければ話してくれるかな?」
「……先生、私、大阪に引越すんです。」
「え? いつ?」
「再来月あたりに…。」
「……二学期いっぱいまで?」
「…ハイ。」
結芽の瞳から涙が溢れてくる。
「…あと、二ヶ月しか卓夢君の側にいられない。」
「柞原さん…。」
先生は、泣き虫な私の頭を優しく撫でてくれた。
暖かかった。
卓夢君の手と同じくらい、暖かかった…。
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