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ピタッ…
「…!」
「どうしたん?」
「右に寄ってる…」
「総司、本気かよ!?」
左の肩を引き右足を出して半身に開く
そして剣先が定法より右に寄る…
まさにこれが――…
天然理心流“平星眼”
「…なきゃ…総司を、止めなきゃ…!」
「な、何言って…「判ってる!」
「!?」
「止めきれないのは…判ってるよ…けど、」
バキィィッ
「―――…」
「テ……ッ…鉄―――ッッ!!」
ダァァンッ
「鉄―――ッ!!」
堅いはずの防具は意味もなく…
総司の竹刀は左胸を突いた
「…終わったな「いや」
「!」
「まだですよ」
「――…鉄……?」
スッ…
「総司ッ!?」
「…借りるよ!」
「あ、ちょっ…!」
「響!止めっ…」
―――止めなきゃ…
総司を止めなきゃ!
私が止めないで…
誰が止めるの…―――
「テ……」
「ッ…総司ッ!!」
バキィッ
「なッ…」
「…え…?」
「……あ」
閉ざされた目を開くと
目の前に広がる漆黒の着物…
一つに結った長い髪…
そう…この人がまさに
新選組副長 土方歳三…――
「…何してんだガキ」
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