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「…総司」
「――!」
「何度目だ?」
「ゴ、ゴメンなさい、土方さんッ」
―――…一瞬だった
自分にはまだ何があったか判らない
ただ…
土方さんの右腕を見た瞬間…
力不足を悔やんだ…
「……」
「…、響ッ!」
「…左之…新八っつぁん」
「大丈夫!?」
「え、あ、うん…大丈夫、だよ」
土方さんは本当に凄い…
土方さんを見ると…
自分はまだまだと思う…
「新選組は君のような男を探していたのだよ!!」
「…じゃあ、採用…?」
「それは出来ねェな」
「な…ッ、何故だ歳!?」
「弱い上に童じゃあ話にならねェだろ」
「つ…強くなります、稽古を受けて戦って…!!…隊士になってもっと強く――…」
「だからだ」
「…!」
「新選組では、仇討ちの剣なんぞ身に付かねェ」
ザッザッザッ…
“強くなります!”
―――強くなりたい…
自分もそう思っていた…
“新選組では、仇討ちの剣なんぞ身に付かねェ”
自分は誰かの仇を討つ訳でもない
恩返しの為にでもない…
なら何のために…?
土方さんの言葉が離れない
こんな衝撃を受けるなんて
思いたくなかった
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