君に届け

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あの日の事が予想外すぎて、未だに信じられない。 信じたくないのかもしれないね。 幸せだったあの日から、何もない毎日に戻るのを。 君が居なくなってから僕は後悔してるんだ。 あの時言えなかった言葉。 「愛してる」とか「好きだよ」とか。 なんでもっと言ってあげれなかったんだろうとかね。 今更だって判ってる。 それでも、後悔しないとやっていけない…。 それに、居なくなってからやっとさらっと言えるようになったんだ。 ぽっかり開いた穴にすっぽり入るように言葉が入ったんだと思う。 そんな穴の埋め方して、僕は凄く悲しいんだ。 だって、その穴は君が居た証だったのに埋められてしまったから。 今、君が居た証は僕の記憶しか残ってないんだ。 でも、謝れないんだ。 君が居たら絶対に怒るだろうから。 それに、君がくれたモノは沢山ある。 人間らしい感情や、涙、人の愛し方。 僕のほとんどは君が教えてくれたんだ。 だから、僕は君を忘れない。 僕と言う存在は君の為だけにあって、君が創ってくれた存在だから。 長くなったけど、本当は言いたい事は一つなんだ。 だから、それだけ言ってまたいつもの僕に戻ろうと思う。 「ありがとう、まだ愛してるよ。」 いつか、君に届くといいな。 そう言って涙を流して空を見た…。
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