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そう、あれは卒業式の前日
「し、就職先が…潰れた!?」
「はぁ、元々経営難でしたからね」
「どうして私にそんな場所を進めたんですか先生!」
「ここがいいと言ったのはあなたでしょう?」
「どうして私だけ…お先真っ暗じゃないですか…」
「そうでもないですよ牧原さん」
「はい…?」
「あなたに是非とも店で働いてほしいという方が、昨日私のところに来ましてね」
「誰なんですかその人…」
「田舎にあるデパートの経営者の方です」
「は?あの、田舎ですか?」
「田舎といっても田んぼばかりの場所じゃないですから。ここよりも田舎ということです」
「どうして私なんですか?」
「あなたのお母様を良く知る方だそうで、それであなたにこの話を」
「母は幼い頃に亡くなりました、父も2年前に家を出たきり帰ってきてません。デパートを経営している人が知り合いにいるなんて聞いたことありませんよ」
「でも、今のあなたにはこの話は非常に美味しい話なのでは?」
「知らない人ですよ?何かあったら怖いですし…でも、今はそれしかないんですよね…?」
「まぁそうですね…」
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