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だが、救急箱をパタンと閉めると、彼はキッチンに向かって行った。 私はその姿を呆然と眺めながら、手当てのされた膝をそっと撫でた。 ガーゼがテープで固定されている。 髪を拭かれる際もそうだったが、彼は丁寧に優しく私に触れる。 湯や消毒液が染みた時以外は、一切痛みを感じていない。
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