003

4/15
前へ
/154ページ
次へ
だが、救急箱をパタンと閉めると、彼はキッチンに向かって行った。 私はその姿を呆然と眺めながら、手当てのされた膝をそっと撫でた。 ガーゼがテープで固定されている。 髪を拭かれる際もそうだったが、彼は丁寧に優しく私に触れる。 湯や消毒液が染みた時以外は、一切痛みを感じていない。
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!

815人が本棚に入れています
本棚に追加