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不意に彼の足が止まる。 前には大きなマンション。 自分が住んでいる所と比べると、かなり立派だ。 此処が彼の家だろうか。 慣れた様子でオートロックのキーを押し、開いた自動ドアを進んでエレベーターに乗り込んだ。 二人きりの閉ざされた空間。 恐怖で先のように喚く事もできない。 彼は変わらず無言のままだ。 六階のマークに明かりがつき、エレベーターが停止する。
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