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『陰陽寮、遅刻するわ』
まさに鶴の一声
水無月がぽつりと呟きを漏らすと、昌浩は素早く起き上がり支度をしだした。
その姿にもっくんも感心しながら水無月の肩に乗り、烏帽子を被る昌浩を茶化しだした
「やーい、烏帽子が曲がってるぞ」
前足で烏帽子をちょんちょんとつっつくと、へにょんと烏帽子は崩れ昌浩は渋い顔になった
「………もっくん…」
恨めし気に見ながら今度こそ綺麗に烏帽子を被る
そんな二人に水無月は楽しそうに笑いそして廊下に現れた気配に気がついた。
『彰子様、どうぞ入っくださいな』
その言葉に廊下にいた人物は遠慮がちに中に入ってくる
「昌浩、朝餉ができたわ」
中に入ってきたのは水無月の指摘通りに彰子であり、彼女は昌浩に朝餉の用意ができたと告げにきたのだ
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