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リルに挨拶を交わすと、机の上に用意してある荷物をとり、キャスは家を出た。
キャスの住む家は、見晴らしの良い丘の上にある。
この町では、結構な大きさのあるお屋敷だ。
学校までは、バイクで通っている。
家から十分程度で着く距離だ。
キャスの通う学校の生徒は、それぞれが特有の能力を持っていた。
でも、キャスと同じぐらい危険で、珍しい能力を持った生徒は、ほんの数人しかいなかった。
「おっす。ミリア、ソーマ」
「おはよ」
「遅刻よ、キャス」
「仕方ないじゃん。昨日、徹夜だったんだよ」
「キャスが科学のレポート、提出しなかったからでしょ。そういうのをなんていうか知ってる?自業自得。まったく、天才科学者が聞いてあきれるわ」
また、いつものように、ミリアの小言が炸裂する。
そして、いつものように、キャスはソーマの後ろに隠れて、助けを求める。
「うっ、ソーマ~、ミリアになんか言ってやってくれよぉ」
「キャス!」
「まぁまぁ、ミリア。キャスも反省してるようだし…」
ソーマは穏やかな笑顔で、ミリアをなだめる。
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