『第一章』 出逢い

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 リルに挨拶を交わすと、机の上に用意してある荷物をとり、キャスは家を出た。  キャスの住む家は、見晴らしの良い丘の上にある。  この町では、結構な大きさのあるお屋敷だ。  学校までは、バイクで通っている。  家から十分程度で着く距離だ。  キャスの通う学校の生徒は、それぞれが特有の能力を持っていた。  でも、キャスと同じぐらい危険で、珍しい能力を持った生徒は、ほんの数人しかいなかった。  「おっす。ミリア、ソーマ」  「おはよ」  「遅刻よ、キャス」  「仕方ないじゃん。昨日、徹夜だったんだよ」  「キャスが科学のレポート、提出しなかったからでしょ。そういうのをなんていうか知ってる?自業自得。まったく、天才科学者が聞いてあきれるわ」  また、いつものように、ミリアの小言が炸裂する。  そして、いつものように、キャスはソーマの後ろに隠れて、助けを求める。  「うっ、ソーマ~、ミリアになんか言ってやってくれよぉ」  「キャス!」  「まぁまぁ、ミリア。キャスも反省してるようだし…」  ソーマは穏やかな笑顔で、ミリアをなだめる。  
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