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「じゃあ、浩太郎。頑張るのよ!」
「わかってるって」
「たまには連絡するのよ~!」
「お母さんうるさい!」
今日、河村浩太郎(カワムラ コウタロウ)はこの家から出ていくことになっている。
何故なら東京にあるR大付属高校に行くからだ。
それも学校のそばのマンションで一人暮らし。
実家からは仕送りをしてくれるそうだ。
そのためか本人はそんなに不安な様子ではない。
「何してんの、早くしないとバス行っちゃうわよ!」
「だからわかってるよ!……じゃあ、行ってきます!」
しかし、母は心配性なのか浩太郎が出ていく最後まで落ち着かない様子だった。
新しいマンションはなかなか綺麗で申し分ない。
隣人の表札には湯本と書いてあった。
「昔の家庭教師と同じ名字だな。まぁ、湯本さんくらいならどこにでもいるだろうけど。
って、そんなこと考えてる場合じゃなくて早いとこ荷物整理しなくちゃ。」
明日はさっそく入学式があるため、浩太郎は必要な者だけを整理しその日はすぐに就寝した。
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