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一方、修哉は学校のそばの公園のベンチで一人座っていた。もちろん浩太郎を待つためにだ。
LHRの休憩中に修哉の元に来た浩太郎に「学校が終わったら近くの公園に来い。」とだけ告げておいたのだ。
帰りのSHRが終わり職員室に戻った修哉はすぐに学校を後にして公園にやってきていた。
生徒たちは、たわいもない話をして友達作りや携帯の連絡先を交換したりしているであろう。
しかし浩太郎のことだ、後5分もしないで走ってくるだろう。なんて考えていた矢先、予想通り浩太郎は走ってやってきた。
「ここの学校だとは知ってたけど、担任なんて聞いてないぞ!」
走ってきた浩太郎の第一声はこうだった。
「俺も名簿見たときびっくりしたんだぜ?まさか本当にここまで来るとも思ってなかったし、ましてや俺のクラスになるなんて想像もしてなかったからな。」
修哉は落ち着いた表情で掛けていためがねをはずした。
「とりあえず、俺の家に帰るぞ。ここで話しても寒いだけだしな。」
「帰るって言ったって修哉の家どこだよ?」
まだこっちに来たばっかで、この辺のことすらまだよく知らないんだよ。などと呟く浩太郎に修哉はベンチから立ち上がり
「まあ着いてくれば分かるって。ほら行くぞ?」
と、答えをはぐらかしつつ歩き出した。
「おい、待てって!」
浩太郎はそんな修哉に置いてかれないように着いていった。
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