2005年~花火大会~

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「彼氏はいつ出てくんの?」 『わかんない』 「何したの?」 『保護監ついてて障害と恐喝』 「あらー(笑)」 『…今頃花火上がってるのかなぁ?』 「見たい?」 『いや…いい』 あたしの隣で花火を見上げて欲しいのは秀人ただ一人だから。 無言になったあたしを大樹は抱き寄せる そしてそのままキスされた 『…ん?』 「え?(笑)」 『え?』 「だって彼女でしょ?(笑)」 『…うん』 「続きしていい?(笑)」 『H?』 「うん」 あたしはしばらく考えた 沈黙の中、大樹が口を開く 「うそーごめん、本気にしないで(笑)」 『いいよ』 それでたとえ1日でも1回でもあなたの一部があたしを求めてくれるのなら。 一瞬でもあたしが「秀人」から解き放たれるのなら。 大樹のなかの「秀人」が欲しいのに、「秀人」から解き放たれたい あたしの思考回路は完璧に矛盾している。
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