ある男の人生

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俺はただただくやしいかった。 涙は枯れてこぼれはしなかった     くやしかった。 自分に実力がないわけでも、奴が別段優れている訳でもなかった。   だのに俺は選ばれず 奴が選ばれた     こんな俺を見て、未練がましい、女々しいと笑うなら笑えばいい。実力のない負け犬と遠吠えと嘲るがいい。     もう一度、もう一度、機会が与えられれば…!!   そのような事を言う事の意味の無さは重々理解している。     口惜しい事に俺にはあまり時間はもうあまりないようだ   このまま固く冷たい塊に成り果てるしかないのか…? 誰にも必要とされず、ここで一人冷たくなるしか…それしか、道は残されていないのか?     俺は自分を曲げず、ただありのままの俺だった。 飾りたてず、ただ有るがままに。  それがいけなかったのだろうか…      奴と俺の違いはただひとつ  
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