初恋

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「はい早くなったけど誕生日プレゼント」         僕はまだ用意していなかったから慌てて僕が持っている新しいノートと鉛筆と消しゴムを渡す事が今できる精一杯のプレゼントだった     彼女が帰ったあと、すぐにもらったプレゼントを開ける気になれなくて机に置いたままになってしまった       夏休みが終わり今度は彼女のいない新学期が始まった       僕は寂しさを振り払うかのようにがむしゃらに勉強した           一年後の僕の誕生日にホコリにまみれた一年前にもらったプレゼントを開けた     中には水晶の結晶と手紙が‥       ごめんね 言いたかったけどどうしても言えなかったの       下には引っ越し先の住所が小さく書かれていた         僕は手紙を書く事が出来なかった     彼女がくれた水晶を見るたびに楽しかった思い出とほろ苦い気持ちがよみがえる     僕の初恋は転校してきた彼女だった
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