~壱ノ章~

4/9
前へ
/58ページ
次へ
それは……… 桜の咲き誇る、弥生時期…… 僕の家の庭にも数種類の桜が咲き乱れる。 僕の一番好きな花…… 毎日見ていても飽きない…… 僕の家には離れがあり父が気が向くと遊女たちを集めて宴会を開く。 僕はそんな日はいつにも増してイライラする。 酒に酔った遊女たちが僕の部屋へと足を運ぶからだ……… そんな日は庭に出て桜を見上げるのが一番いい――――……‥ 人間の汚い部分など僕は見たくないから…………‥ ゆっくりと桜の庭へと歩みを進める……‥ すると桜の下に着物をきた人影を見つけたんだ‥‥‥ 父が呼んだ遊女だろうか‥?… しかし宴会を抜け出し、独りで桜を見る、遊女などいなかった………… ――――…‥ だから僕はゆっくりとその人影に近づいた…………‥ .
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

187人が本棚に入れています
本棚に追加