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真っ白な世界
スクランブル交差点で
わかれた時
また明日、と
(言ったキミの唇が)
「……は…、っ!」
ひゅう、と喉が潰された後のような呼吸をした。
こんな寒い季節にも関わらず汗をかいているようだ。
服が身体に張り付いて気持ち悪い。
まだ外は闇に包まれている。
壁に掛かっているカレンダーに視線を走らせる。
…あぁ、そういえば
「今日は……、」
こんな時間に起きた理由を理解した。
顔にかかった、暫く切っていないため長くなってきた前髪をかきあげる。
まだ夜は明けていないが、こんな時間では寝るに寝れない。
仕方なくシャワーを浴びようと、寝間着のままタオルを持ち脱衣所へ向かう。
ザァ…っと顔面に降り注ぐ多量の雫。
一つ一つが、先程かいた汗を流す。
「 ……」
ポツリ。
肌を滑り流れる雫に愛しい名を乗せ、一緒に流そうとしたけど。
何故だろう。思い出せない。
彼女の名はなんだった?
思い出せるのは、ただ…
「嘘つきは…俺、でした…」
自嘲気味に吐き捨てる。
あの日、偽りの愛を語った唇で。
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