01,死ぬ気弾のせい

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「死ぬ気でりんこに謝る!!」   屋上のドアを蹴破り、 "知らない"ツナが現れた。 不安が急に思考を奪う。   ツナはあたしに気づくと 此方に走って来た。 あたしは鬼みたいな顔をした ツナが怖くなって、 ギュッと目を瞑った。 あたしのところまで来ると、 土煙をたたせながら止まる。 「…りんこ」 さっきの荒々しい声とは違う、 いつもの"知ってる" あのツナの声だった。 「…ツナ?」 「あの…さっきはごめん!」 いきなりツナは頭を下げた。 あたしはびっくりして、 ツナを凝視してしまった。 「…さっき、俺が 最初に話しかけたのに…、 りんこのせいとか言って…」 不安そうな顔でチラチラと 此方を見るツナが少し可愛くて、 少し安心した。 「…平気だよ。 気にしてないし」 苦笑しながら言うと、ツナが、 あたしをじっと見ながら呟いた。 「けど…この頃、なんか イライラしてただろ…? さっき、 爆発させちゃったみたいだし…」 言い終わる頃には 申し訳なさそうな顔で ツナはうつ向いた。 「…ごめん」 小さく呟きツナを見ると、 やっぱりツナはツナだった。 「…なんかさ、ツナ…この頃 変わったじゃん? そしたらなんか、 ちょっと寂しくなったっていうか… なんか、分かんないけど…ね。」 苦笑しながらツナを見ると、 ツナはびっくりしたように あたしを見ていた。 本当のこと、話さない方が よかったかな…と ちょっと思いながら、 あたしを凝視するツナを見て 苦笑した。 「仲直り、出来たか?」 不意に小さな 愛らしいの声がした。
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