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「謎がやっと繋がったわね」
倉内は石渡の死の真相を知って少しホッとしているようであった。
「でも、まだ分からない事が……」
「何?」
「磯貝さんが松原君を自殺に見せ掛けて殺したのかしら」
「う~~ん、それは分からないわね。でも、わざわざ養子縁組をさせた知り合いの子供を殺害するとは思えないけどな」
「そうかあ、そうよね。だったら、やっぱり自殺よね」
間宮には磯貝にこれ以上、罪を重ねて欲しくはなかったのであろう。話の区切りが付いたところでテーブル上の携帯を取り時刻を見る。
「 3時10分……駿哉に電話してみるね」
間宮は駿哉の携帯と固定電話へ掛けるが、どちらにも出なかった。
「どう?」
心配そうに覗き込む倉内。
「ダメ……駿哉ったら本当にどうしちゃったのかしら。ねぇ、愛子さん、取り敢えず、戻りましょう」
変な胸騒ぎを覚える間宮。それから、2人は急いで身仕度をして草岡とその夫にお礼の言葉を述べる。
「草岡さん、写真、お借りしても良いでしょうか」
「ええ、どうぞ。ところで、尚彦君が捕まったらどうなるんでしょうか」
草岡は隣の夫にしがみ付くような姿勢で倉内に尋ね、
「恐らく、極刑は免れないのではないでしょうか」
という倉内の返事を聞いて草岡はよろめきながら夫の胸に倒れ込むや、嗚咽を上げ泣き出した。
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秋にもなれば日の傾きも早い。周りは明るかったが、どことなく薄暗さを駿哉は感じ始めていた。 その後、人間は生まれながらにして『悪か善か』について話し合っていたが、突如、磯貝は腕時計を覗く。
「3時過ぎ。準備があるんでもう帰るわ」
「そうですか。見送りは?」
「ははははっ、良いよ、別にそんな事」
「でも……」
「気持ちだけ有り難く貰っておくよ。向こうに着いたら手紙を書くし、携帯も買い替えたら電話もするしさ」
「そうですか」
駿哉と磯貝は体に付いた枯草を払いながら立ち上がる。
「籐野はさ、籐野の幸せを目指して頑張って生きてくれ」
「分かりました。磯貝さんも頑張って下さい」
「おう」
磯貝の差し出した右手を駿哉はしっかり握り締め、2人は少しの間そこに佇む。
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