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「それは、どういったもので?」
彼女が言わずと我慢している姿が余りにも滑稽であった為、こちらから尋ねてみた。途端に彼女が顔を喜ばしたのを見て、聞いて良かったと思う。
「あっ、あのですね。“デリオシプヒス”は“ヤマラマニーヤ”の亜種なので、まずはヤマラマニーヤから説明しますね。ヤマラマニーヤは所謂“古代種”なんですが、最近になって化石から復元できることが発見されたんです。特徴的な舌を持ち、それをチューブのように使用して、食事を行う生物なんです」
「なるほど。化石を復元できるなんて……初耳です」
「えぇ、まだニュースで取り上げられていませんから。実験的な段階なので、まだ未完全なんです」
口外して良いのだろうか。まぁ、僕からすれば珍しい話を聞けて、ラッキーなのだが。
「次に、デリオシプヒスはヤマラマニーヤの能力を更に高めた亜種でして、全身が鱗だったヤマラマニーヤに対し、デリオシプヒスは堅固な甲殻に覆われているんです。つまり、まぁ強いんですよ。更に、知能が発達している為、猿と同等のアクションを起こせます」
「猿と同等ですか!? それは、なかなか。甲殻で覆われている分、相当“厄介”な生物ですね」
「厄介と言っても、飼育下に置けば、人よりも上の存在にはなりません。そして数日前に、デリオシプヒスもヤマラマニーヤと同種ですから、化石から復元できることが発見されました」
そんなものを復元していいのだろうか。
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