ワタシ絶望≠恋心

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〈3〉    夕方、もう一つの事件現場へと足を運んだ。如月は何処にいるのやら、全くわからない状況に慣れっこだから良いものの、“僕以外”の人達から見れば、職務怠慢かと疑問があってもおかしくない訳で……。   「こちらです」    警視庁に勤務し、この事件の依頼主でもある七瀬に案内され、関係者以外立ち入り禁止区域へと侵入する。   「全く、如月と言う男は極めて厄介な人物ですね。ソラさんの苦悩が目に浮かぶようです」   「えぇ、まぁ……慣れっこですから。それに、彼は独自のスタイルで捜査しているかもしれません」    なんやかんや言っても、“一応”相方の如月を庇ってやる自分は聖母ではないだろうか。なんて思ってみる。   「まぁ、もともと私はソラさんに依頼した訳で、如月に依頼したのではありませんから」   「えぇ」    七瀬は僕に対して「ソラさん」と呼び、「如月」は呼び捨てである。多少、僕が如月に哀れみを感じるのは仕方のないことなのだろう。    幾度となく電話したにも拘わらず、出ようとしない“アイツ”が悪い。   「ところで、こんな場所に僕を連れて来て、大丈夫なんですか? 一応、依頼はあなた個人のものですから、秘密にする必要があるのでは?」   「大丈夫ですよ。見張りの警官も私の“仲間”ですから」    あぁ、要するに個人的な依頼ではないと。    矛盾を感じるが、警察も何か事情があるのだろうか。  
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