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所謂オジサマの特権というものは、オジサマ故に女子大生にちやほやされ、警察には話していないようなことも聞き出すという便利な手法な訳で。
彼は確かにルックスもそこそこで、渋味もある。しかしまぁ、意外な経路で情報を集めてくるものだ。感心せざるをえない。
「それにしても、男性の情報を“何故”女子大生が知っていたんですか? 警察も身元が特定できていないんでしょう?」
「あぁ、これが特殊な人物でな。彼は自身の研究室に籠もりっきりだったらしい。且つ、今は冬休みときた。彼は一人暮らしの為、行方不明になったことを誰も知らなかったのだ。捜査依頼も出ていなかったから、警察側もわからない。しかし、ある一人の生徒が彼と……その……何と言うか、夜の密約関係にあった」
「なるほど。その女子生徒が、彼が行方不明だということに気付いたと」
「あぁ。今晩、警察に知らせに行くと言っていた」
「なるほど。でも如月さんは、何故その大学の生徒に聞いたんですか? 彼がその大学に勤めているなんて、わかるわけがない」
「ふっ、私の謎を解き明かしてどうする。まぁ、色々と情報源があるのだよ。これも、オジサマの特権だ」
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