連鎖の兆し×拒絶

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〈1〉    今日は気分が良い。彼女と喫茶店で再会できるからだ。   「如月さん、そっちはよろしくお願いしますね」   「あぁ、君こそ何を確認するのか知らんが、任せたぞ」   「えぇ……」    何か罪悪感が過ぎる。まさか、女性と喫茶店で会うなどとは言えない。実際、確認することはあるのだが、主要な目的は他にあり。      彼女は昨日と同じ時間に、と言ったが、僕は朝から喫茶店へ行くことにした。心の準備というものは大切である。    相変わらず、朝という時間帯が原因なのか店内の客は少なく、僕ともう一人の女性だけであった。後ろ姿を見る限り、鈴鹿さんではない。白髪混じりの、少しお年を召した女性だ。   「いらっしゃい。昨日に引き続き御来店ありがとうございます」    店主は丁寧にも挨拶し、昨日と同じく「ごゆっくり」と言うと、店の奥へと消えていく。    彼女が来るまで4時間――。実に長いようで、計画を立てる猶予期間にしては短いようで。   「はぁ……」    情けない溜息を一つ。考えても仕方がない。必勝のデートプランは、常に行き当たりばったりであるものだ、と言い訳。やはり、彼女の得意分野を中心に話題を出したほうが良いだろうか。“確認”もできる訳だし……。  
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