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顔が赤くなった。
軽く触れた指先が弾かれたように反応した。
青木智学。
喧嘩は生まれた時から強かった。
中学二年でスロットに出会い喧嘩の意味を忘却。
勉強は実はできる方だ。
ただやらないだけで。
女にはモテた。
恵まれたルックス。
クールそうなポーカーフェイスが受けるらしい。
加持の反応は、青木はよく経験したことがあった。
女子が自分の前でよく見せるそれと同じもの。
「…どーも」
ライターを返すと、加持は素早く受け取りポケットにしまう。
けして自分のほうは見ない。
両ポケットに手を突っ込み、足早に前をいく。
青木はタバコという目的を果たしたが、加持の後を歩いていた。
その反応が、本当に自分の前で女子がするものと同じものなのか…
確かめたい。
そう思った。
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