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「なに、最近あいつとつるんでんの?」
体育着で木陰にしゃがみ込む二人。
梅雨前にしてかなり暑い。
サッカーなのか喧嘩なのか…ギリギリの試合を眺めながら、佐賀が言う。
あいつとは、言われなくても加持はわかっていた。
「んなつもりねーよ…」
あれから、青木はよく加持のところにくる。
別に何があるわけではない。
用がなければ何故か連れ立って下校したり…
いつの間にか、知られていた携帯に連絡がきたり…
断る理由はないが、多少青木には強引なとこがあった。
そして、それに従う自分がいるのは認めたくない事実で…
まだ、それが惚れた弱みだとかどうとか加持は知らない。
「んなことより、昨日のライブどーだったよ」
最近、佐賀と加持が好きなバンドのライブを2年の樋口先輩と見に行ったはずなのだが、佐賀の口からその話題がでない。
朝からテンション高く自慢されるとばかり加持は思っていたのだ。
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