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「久しぶりだな」
高架橋の下で…如何にも悪そうな奴に出会ったのは、学校を連れ立って出た二人…加持と青木。
正確に言うと奴らだ。
バットやら鉄パイプやら…
嫌な顔をしたのは加持。
青木はちらりと加持を見て、あぁ喧嘩の因縁かと、くだらないと呆れた顔をした。
「忘れたっては言わせねーぞ、加持」
真ん中のフードを被った髭面の男の低い声。
顔は覚えている。
中学卒業の時にぶっ飛ばした他中の奴だ。
名前は…
「てめー誰だよ」
忘れた。
もちろんそう言えば、相手の出方など知れたもので…
飛んできた拳を右腕でガード。
続いてアッパー。
突き飛ばすと、後ろからきたジャージの男の腹に蹴り。
コンクリートの壁に打ちつけられた鈍い音。
さすがに、力を自負していただけはあるなと…青木は遠巻きにタバコを吸いながら眺めていた。
恐らく巻き添えは食らうだろうが、極力避けたいがためだ。
しかし、その目論見はあっさり消されバットを持った男が青木を襲撃してきた。
おぉっと声を上げた男が、アスファルトに頬擦りしたのはすぐにだった。
どさり…
加持は綺麗な蹴りに思わず見惚れていた。
そのせいで…
「ずいぶん余裕じゃねーかっ!」
声がし振り返った時には顔面に強烈なパンチを加持は受けていた。
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