9089人が本棚に入れています
本棚に追加
可愛い子だとは思った。
千葉瑛人ことオレは別に男が好きな訳ではない。
だが別に同性同士ってのに特別なにも思わない。
何故ならば、過去男を抱きたいと思ったことがあったから。
実を言うとそれは、進行形ではある。
あるが、見守る愛てのもあるのだ。
自分と付き合ったからと言え、必ずしもお互いが幸せになるとは限らないこともあるのだ。
不相応。
人の体もだが、心の歪な形にぴったりくるもの。
つまり、それぞれの役割てのがこの世の中にはあるのだ。
彼…こと、極黒の副頭、南にはオレではなく、八幡。
八幡が去ったとしても、オレではなく広泰なのだと思う。
あくまでも持論で、正しいわけではないかも知れないがそう感じるのだ。
だから
今 目の前で、まだ飲み足りないと言い出した年下の男についても…
当てはまるのがオレではないと知れていた。
わかっていたが…
今日だけならば、その溝を埋めるのは自分だと思った。
「高校生だろうが?平気なのか?」
「夏休みっすよ?家に居ることのほうが有り得ないっすよ」
きっかけは、運ばれてきた酒瓶を手渡された時、お互いの指先が触れたせいだったと思う。
それがちりりとお互いの何かをくすぶらせた。
「なら、オレんちで飲むか?一人暮らしだし」
店を出たときには、既に年下の男こと佐賀の腕は自分の腕にぴたりとつく程近くで。
彼が寂しさの余り 他人の温もりを欲してるのが解った。
解ったが、まだ彼が男とやれるのかは確信はなかった。
最初のコメントを投稿しよう!