その②

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可愛い子だとは思った。 千葉瑛人ことオレは別に男が好きな訳ではない。 だが別に同性同士ってのに特別なにも思わない。 何故ならば、過去男を抱きたいと思ったことがあったから。 実を言うとそれは、進行形ではある。 あるが、見守る愛てのもあるのだ。 自分と付き合ったからと言え、必ずしもお互いが幸せになるとは限らないこともあるのだ。 不相応。 人の体もだが、心の歪な形にぴったりくるもの。 つまり、それぞれの役割てのがこの世の中にはあるのだ。 彼…こと、極黒の副頭、南にはオレではなく、八幡。 八幡が去ったとしても、オレではなく広泰なのだと思う。 あくまでも持論で、正しいわけではないかも知れないがそう感じるのだ。 だから 今 目の前で、まだ飲み足りないと言い出した年下の男についても… 当てはまるのがオレではないと知れていた。 わかっていたが… 今日だけならば、その溝を埋めるのは自分だと思った。 「高校生だろうが?平気なのか?」 「夏休みっすよ?家に居ることのほうが有り得ないっすよ」 きっかけは、運ばれてきた酒瓶を手渡された時、お互いの指先が触れたせいだったと思う。 それがちりりとお互いの何かをくすぶらせた。 「なら、オレんちで飲むか?一人暮らしだし」 店を出たときには、既に年下の男こと佐賀の腕は自分の腕にぴたりとつく程近くで。 彼が寂しさの余り 他人の温もりを欲してるのが解った。 解ったが、まだ彼が男とやれるのかは確信はなかった。
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