9089人が本棚に入れています
本棚に追加
佐賀が這い上がり、足の間に向き合うように座ると千葉と視線を合わせた。
「…浮気願望?」
お互い視線を合わせたままで、距離が近づく。
唇が触れ合うほどの距離で
「…そういうの聞かないでください」
ゆっくりと落ちる瞼を見ながら、気がつけば唇が触れ合っていた。
別段、広泰に託したことを千葉は悔やんではいないし妬んでもいない。
きっと、自分では南を扱いきれないに違いない。
愛おしさに溺れて、ぐずぐずになって…ダメだっただろう。
しかし、一度なりとその体を自分のものにしてみたい願望というのはあったのだ。
チュッと音をたて唇が離れる。
それから、もう一度視線が合うと再び唇を合わせた。
最初のコメントを投稿しよう!