その③

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「マジかよ、キスマークって…」 ぎゅうっと佐賀の背中に辻の指が食い込む。 ひくひくと肩を上下させ、本当に泣いているかのよう。 「あ…」 思い出したように、佐賀が小さく声をあげた。 「センパイ…あの、本当に何にもしてないですから…これはその、ただ付いただけで…」 「ただ、ってただ座ってただけで付くわけないだろう!あぁ、否、オレが悪いんだ…だいたい、何も言われないのをいいことに遊んで回ってた俺が悪いんだ…なぁ、直太朗、寂しいなら寂しいって言ってくれよ…な?あんなヤツに縋らないでくれよ。な?」 もう、ここが公衆の面前ということは佐賀は忘れることにした。 凄く恥かしいが、言われていることはそれに勝るのだ。 だが、言ってくれといわれても電話が通じない、まぁそれはヨシとしてだ。 辻の話を聞いていると、なんだか… 「センパイ…千葉さんと知り合いなんですか?」 「…知り合いもなにも、ヤツは極黒の幹部だ。」 「え…」 なんて馬鹿なことを! 後日…連合は秋までに引退だから、何かあったらまたおいでと佐賀に千葉からメールが来たとかどうとか。 実は、辻が佐賀に尻に敷かれ始めたとかどうとか。 `
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