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「マジかよ、キスマークって…」
ぎゅうっと佐賀の背中に辻の指が食い込む。
ひくひくと肩を上下させ、本当に泣いているかのよう。
「あ…」
思い出したように、佐賀が小さく声をあげた。
「センパイ…あの、本当に何にもしてないですから…これはその、ただ付いただけで…」
「ただ、ってただ座ってただけで付くわけないだろう!あぁ、否、オレが悪いんだ…だいたい、何も言われないのをいいことに遊んで回ってた俺が悪いんだ…なぁ、直太朗、寂しいなら寂しいって言ってくれよ…な?あんなヤツに縋らないでくれよ。な?」
もう、ここが公衆の面前ということは佐賀は忘れることにした。
凄く恥かしいが、言われていることはそれに勝るのだ。
だが、言ってくれといわれても電話が通じない、まぁそれはヨシとしてだ。
辻の話を聞いていると、なんだか…
「センパイ…千葉さんと知り合いなんですか?」
「…知り合いもなにも、ヤツは極黒の幹部だ。」
「え…」
なんて馬鹿なことを!
後日…連合は秋までに引退だから、何かあったらまたおいでと佐賀に千葉からメールが来たとかどうとか。
実は、辻が佐賀に尻に敷かれ始めたとかどうとか。
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