好きといって

4/4
9080人が本棚に入れています
本棚に追加
/312ページ
「あ?」 「ん?」 加持は自分の胸元を見下ろし言われたそれに気づく。 「あーっ!ばっ!ばかやろっ!」 そして、恥ずかしさのあまり大変なことを言ってしまう。 「テメっ!青木っ!なんでんなもん付けんだよっ!」 真っ赤になり声を荒げる加持のセリフに、 青木はクッと笑いを漏らす。 佐賀が目を丸くする。 「笑ってんなっ!」 青木の胸倉を掴み拳を上げる加持に、青木は殴られてもいいと思うほどおかしく、加持がかわいかった。 「かぁじ、何言ってっかわかってんのか?」 ニヤニヤする青木。 「あぁっ?…………」 ハッとした表情で加持は青木の胸倉を離し、顔を青くし、視線を佐賀に恐る恐る向けた。 「……」 「…加持?それ青木が?」 それとまた痣を差しながら… あれは唇で吸い付いて鬱血させるものだ。 「青木がキスマークを?」 そこに唇を寄せる青木を佐賀は想像する。 「青木がっ!?」 「ばっ!ばか!ちげーよっ!」 声がでかくなる佐賀に加持が声を荒げる。 「青木がっ!?加持にぃ!?」 「違うって!佐賀っ!てめーっ違うつってんだろっ!」 真っ赤になり加持は叫ぶ。 「えーっ!?えーっ!?なっ何何何何だよっ!?」 加持を見る。 そして青木を佐賀は見る。 青木は意味あり気ににっこり笑ったままだ。 それから暫く屋上からは絶叫と驚愕の声が鳴り響いた。
/312ページ

最初のコメントを投稿しよう!