勇者の事情

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えっ!?イヤなら逃げればいいじゃんって? ……フッ…それが出来れば苦労は無いんだけどね ソッと道を外れようモノなら…… 「勇者様…魔王の城まではこの道をずっとまっすぐ進んでください」 地元のご老人に優しく肩を叩かれた 「………ありがとう」 再び今度はコッソリ道を外れようと…… 「勇者様!魔王の城はこの道をまっすぐです!」 地元の屈強な男に肩を掴まれた(握力きつめ) 「……どうも……」 男は爽やかにオレに笑いかけ去っていった 何!?今の人!明らかにオレより強そうなんだけど!! ムキムキだったよ?!ムッキムキ!! つか…肩イテ~ ……あの人が勇者やればいいのに まあ、オレがこれで何を言いたかったかっつうと…… みんな、オレが逃げないように見張ってるってこと 言うなれば…王様の『魔王を倒すために頑張ってるよ』アピールに対しの、国民からの『早く魔王討伐してよ』アピールなわけです その板挟みになっているのがオレ あれ?勇者って中間管理職? ……このまま魔王の城に行って死ぬんだ…オレ(遠い目) あっ…そうこう言ってるうちに次の村が見えてきた うん?なんか騒がしいぞ?
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