1000のキス

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「今日は何の日?」 ベッドに持たれかかっている俺を、キラキラと輝いた瞳で見つめて、俺、藤崎 祐希の彼女である林 千穂は言った。 「今日は付き合って3ヶ月半。丁度1000日目記念日、だろ?」 頭を掻きながら、呆れた表情を浮かべ、俺は言う。 「だいたいさ…、一日でいいから記念日の無い日を作ってくれ…頼むから!」 そう、千穂は記念日大好き人間。 ほんの些細な出来事でも記念日にしてしまう恐ろしい俺の彼女…。 最初に言った俺の問いに、彼女は椅子から立ち上がり、首を横に振った。 「ちーがーうー!もう一つあるの!」 もう一つ… 他にあったっけか…? 「あ、…」 「思い出した!?」 そうだ、今日は… 「チホのお母さんとお父さんに見つかって説教された日だ!」 「そんなものまで記念日にしないわよ!」 足をダンッと踏み込み、眉間にしわを寄せて、彼女は声を張り上げて言った。 「もっとこう…他にあるじゃないのよぉ!」 美穂は、頬を膨らませて、子供のようにプイと外方を向いた。
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