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「じゃあ何の日か言えよ…」
俺も子供のように、ムッとした表情で、彼女をジッと見つめながら言った。
「………」
千穂は相変わらず外方を向いたままで、こっちを見ようとしないし、何も言おうとしない。
「チーホ…」
俺が名前を呼ぶと、千穂はようやく口を開いた。
「ユウキのバカ…」
…ようやく開いた口からは、そんな台詞が出てきた。
「馬鹿って……」
俺は頬杖をつきながら、暫く考え込んだ。
ん~…、他にあるか…?
てか記念日多いしな…先月の今日は…、千穂の両親に説教されたのと、俺が髪を切った日で……
それはさすがに無いか、うん。
その前の月は、初の温泉旅行から帰ってきた日であり、同居初日であって…
さらにその前の月は、初めて千穂からキスをした日で…
案外俺も細かい事まで覚えてるな…
ん、待てよ…
キス?
…そうか…
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