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「千穂」
「え?」
俺はその場で立ち上がって、彼女の腕を引っ張り、体を引き寄せた。
「な、なに…?」
千穂は頬を赤く染めながら問う。
その問いの返事をする前に、俺は彼女にキスをした。
初めは驚いていたようだったが、彼女はゆっくりと瞳を閉じた。
俺が千穂の腰に手を回し抱き締めると、彼女も俺の胸に置いていた手を、ゆっくりと俺の背中に回した。
数秒という短い時間の筈が、長く感じた。
そんな事を思い、名残惜しそうに彼女の唇から離れると、彼女は小さく微笑んだ。
「思い出してくれた…?」
「ああ、今日は…
1000回目のキス記念日
だろ?」
そう言いながら、彼女の瞼にキスをすると、くすぐったそうに小さく笑いながら…
「…当たり」
そう言ったー…
-END-
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