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わたしの誕生日。彼は、家には居なかった。箱の中で無造作に、小さなケーキが2つだけが並んでいて、それを机の上にぽん、と置いてきぼり。
「おめでとう、22歳のわたし。」
そらと二人で、ケーキを食べた。まだ1歳のそらは、口に運ぶ量よりも、床にべちょっと落とす量の方が遥かに多かったのが、悲しい。
「来年は、お歌を歌ってね。」
「うー、あー。」
顔中でケーキに食らいつくそらは、笑顔で足をばたつかせていた。
ケーキを食べ尽くしたあと、ぱぱー、ぱぱー、と泣いていた。
「そらはパパとママ、どっちがすき?」
「ぱーぱー!」
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