つき

たいよう

愛するって、どういうことなんだろう。きっとそれは、とても大人っぽい行為であって、わたしには程遠い。まるで小学生の女の子が、こっそりとママのルージュを手にとるような。

わたしには、分からない。分からない、わたしには。
愛するって、どうすればいい？どうすれば、愛されるの？

わたしは、彼のことはとにかく、そらは大好き。
でも、目に入れたらきっと痛いんだ。目に入れても痛くなくなったら、それは愛してると言えるのだろうか。

おとうさんとおかあさんは、きっとわたしを愛していた。なぜかって、周りがみんなそう言うから。だから、彼らはわたしを愛していた。多分。
本当のことなんて、何も分からない。もうとっくの昔に居なくなってしまったから。
わたしのこと、愛してる？だなんて、聞けない。

いや、それよりもおかあさんに、あのおいしい煮物の作り方を聞いておけばよかった。
そうすれば、彼のこころは射止められなくても、胃袋は虜にできるのに。

あぁ、会いたいなぁ。