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家族3人の距離は、とてもイビツな形をしていた。まる、さんかく、そんな単純な図形では表せない。
わたしは、そらにごめんね、と呟きながら、わたし自身を切り裂いていた。この腕から流れる血は、そらと繋がっている。でも、彼とは繋がっていないのだ。ただ名字が同じ、他人に過ぎない。
それを埋めるはずの絆は、どこかまだ、遠いところにあるのだろう。辿り着くかどうかは、分からないけれど。
わたしから、笑顔が消えた。
彼は、わたしの前では決して笑わなかった。
このままじゃあ、いられない。
きっとこのままじゃあ、わたしは、そらは、彼は、人間じゃ無くなってしまう。お面を被った、汚い人形が3体。ひとつに、小さな箱に無造作に詰め込まれているような。
きっと、そうなるんだろうな。
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