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もうかれこれ一時間程歩き続けている。
疲れきった優也の目には、一時間前と比べて全く景色が変わっていないように見える。
確かに進んでいるはずなのに、優也がどれだけ進もうが辺り一面緑一色だった。
「おっかしいなー……」
何の変化もない今の現状がもどかしくなり、優也はぐしゃぐしゃと頭を掻いた。
長い間歩いていたせいか、ただでさえ痛かった足がなおのこと痛みだした。
(こんだけ歩いて人に出会わないって、今時じゃ田舎くらいだよな)
優也の目の前には相変わらず見事なまでの大自然が広がっている。
そんな自然の中で堂々巡りを繰り返すうちに、優也はふとあることに気が付いた。
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