来訪者

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だが、そんな無駄な「不変」の中にも、一度として同じ顔を見せないものがあった。 温かな光で街中を包んでくれたあの夕焼け空。 虚しさでいっぱいだった心の隙間を埋めてくれた、黄昏時のいつもの並木道。 そして何より、いつもくだらないことで笑い合えた、優也の大切な二人の親友――。 ほんの少し思い出すだけで、優也は胸がぎゅうっと締め付けられ思いがした。 二人は――暁と昴は今頃どうしているのだろう。 急に消えてしまった自分のことを心配してはいないだろうか。 そんな考えが頭に浮かぶと、優也は居ても立ってもいられなくなる。 帰りたいと、優也は初めて心の底からそう思った。 あの世界のすべてに、絶望していたはずなのに。 優也は急に淋しくなって、ついいつもの癖で空を仰いだ。 もしかしたら、あの街で見る空を無意識のうちに探していたのかもしれない。 だが、視界に広がるのは、冷たく澄んだ青色だけ。 あの町の面影は微塵も感じられなかった。 当然のことだとわかっていても優也はやはり落胆してしまう。 やはりもう、あの町に戻ることはできないのだろうか。 絶望に打ちひしがれ、知らず知らず唇から薄く溜め息が漏れる。 独り諦めかける優也。 すると突如その視界に、青空をまっすぐ二分する一筋の光が飛び込む。
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